☆短編☆
□☆あなたの笑顔をもう一度☆
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『あなたの笑顔をもう一度』
最近、キラの笑った顔を観てない気がする。
正確には、戦中からかな。
今のキラの笑顔は、笑っても作り笑いって感じがするのよね。
私、戦争前のキラの笑顔好きだったのに・・・。
どうしたら前みたいにキラの笑顔が見れるようになるんだろう。
誰かに相談した方がいいよね。
有紀はこの悩みを誰かに相談しようと家の中を歩いていた。
すると向こうからラクスがこっちにやってきた。
そうだ、ラクスに相談してみよう。
「ラクス、おはよう。」
「有紀、おはようございます。」
「ラクスに相談したいことがあるんだけどいいかな?」
「いいですわよ。」
「ありがとう。相談っていうのは、キラのことなんだけど。」
「キラのことですか?」
「うん。ラクスは、キラが戦中から元気がないの知ってるよね?」
「はい。戦争前は、すごく元気で有紀の側に片時も離れなかったと聞いてますわ。」
「!?///それ、誰から聞いたの?」
「アスランからですわ。」
「(アスランめ)そうなんだ。」
「そういえば、あのキラが最近では有紀の側にもいないですわね。」
「うん。最近じゃキラは私の側にいないし、笑わないし、笑っても無理して笑ってるんだよね。」
「そうですわね。」
「ねぇ、どうしたらキラを前みたいに笑顔にできるようになるのかな?」
「そうですわね。・・・キラを本当の笑顔に戻す方法は・・・有紀がキラの側にいたら戻ると思いますけど。」
「そんなので戻るのかな。」
「やってみないとわかりませんわよ。」
「そうだけど・・・わかった。やってみるよ。」
「上手くいくことを願ってますわ。」
「ラクス、相談のってくれてありがとう。」
「いいえ。頑張ってくださいね。」
「うん。」
有紀は、ラクスと別れてキラの部屋に向かった。
〜キラの部屋〜
キラの部屋のドアを叩いた。
「キラ、いる?」
ドアを叩いても返事がなかった。
もしかしてキラ部屋にいないのかな。
部屋の中で待ってようかな。
有紀はキラの部屋に入った。
キラの部屋に入ると部屋の中は暗くて部屋の様子が見えなかったため、有紀は電気をつけた。
電気をつけるとベッドの膨らみに気付いた。
「キラ、寝てるの?」
有紀は、キラがいるベッドの側に行った。
「キラ?」
「zzz・・・」
キラは寝ていた。
キラの寝顔を見るのは久しぶりな気がする。
そういえばキラの寝顔を見たのも戦争前以来かも。
いつもキラが私の側にいて寝るときも一緒だったからキラの寝顔見てたんだよね。
もうあの頃みたいにキラの笑顔を見れないのかな。
「・・・んっ〜・・・。」
「キラ?」
キラが目を覚ました。
「・・・有紀?」
「うん。」
「どうして有紀が僕の部屋にいるの?」
「・・・キラと海に行きたいなと思って呼びに来たの。今から行かない?」
「・・・いいよ。」
「本当?」
「うん。今から着替えるから少し待ってて。」
「わかった。外で待ってるね。」
「うん。」
有紀はキラの部屋を出て外で待ってた。
〜10分後〜
「有紀、お待たせ。」
「じゃ、行こう。」
有紀とキラは海に向かった。
〜海〜
有紀は海の中に入ってはしゃいでいた。
その様子をキラは眺めていた。
有紀はキラの視線が気になったので後ろに振り向いた。
またキラ悲しそうな顔してる。
もしかして、海に来るの嫌だったのかな。
私ってキラのために何が出来るんだろう。
本当にキラを前みたいな笑顔に戻すことが出来るんだろうか。
「有紀、どうしたの?」
いつの間にかキラが有紀の側に来ていた。
「えっ?何で?」
「今の有紀の顔、悲しそうな顔してるから。」
「悲しそうな顔してないよ。(悲しそうな顔をしてるのはキラの方なのに)」
「悲しそうな顔してるよ。有紀、何かあったの?」
「・・・あったよ。」
「何があったの?僕が相談にのってあげるよ。」
「・・・・・・。」
「僕に言えないことなの?」
「違うけど。」
「じゃ、言えるよね。」
「うん。」
本当にキラに言ってもいいのかな。
でも、言わないとキラはずっとこのままかもしれないし。
やっぱり言った方がいいよね。
有紀は意を決してキラに悩みを打ち明けることにした。
「有紀?」
「私ね、キラのことで悩んでたの。」
「僕のこと?」
「うん。」
「何で僕のことで悩んでたの?僕、有紀に何かした?覚えがないんだけど。」
「キラが前みたいに私の側にいないし、笑わないよね?」
「え?前みたいに有紀の側にずっとはいないけど、いつも有紀に笑顔絶やしてるでしょ?」
「ううん。最近のキラの笑顔は作り笑いだよ。私が知ってるキラの笑顔とは違うもん。」
「・・・・・・。」
「キラこそ悩みがあるなら言ってよね。キラは一人じゃないんだからね。私はいつもキラの側にいるんだから。そして私はキラの彼女になれて嬉しかったんだよ。キラは私の彼氏になれて嬉しくなかったの?嫌だったの?」
「・・・有紀。そんなことないよ。僕も有紀の彼氏になれて嬉しいよ。僕は、MSに乗っていろんな人を傷つけたり殺したりしたんだよ。そんな僕の手は血で汚れてる。そんな手で僕が有紀に触れていいはずがないと思っていたんだ。まさかそれが有紀を苦しめていたなんて。ごめんね。」
「そんなことないよ。キラは私たちを守るために戦ってくれてたんでしょ?だからキラの手は汚れてないし、キラは何も悪くないよ。だから自分を責めないで。」
「・・・有紀、ありがとう。」
「どういたしまして。ねぇ、キラ。」
「何?」
キラが顔をあげたら水がかかった。
有紀はキラに海水をかけたのだった。
「有紀〜。」
「え?」
キラも有紀に海水をかけた。
それがきっかけでお互いかけあいっこが始まった。
「有紀、下着が見えてるよ。」
「え?」
「冗談だよ。」
「もう、キラのバカ!アハハハ・・・。」
キラも有紀につられて笑った。
「キラがやっと笑ってくれた。」
「あっ!」
「良かった。キラの本当の笑顔がまた見れて。」
「すべて有紀のおかげだよ。ありがとう。」
「ううん。私ね、そっちの笑顔の方のキラが大好きなの。」
「ありがとう///」
「これからもずっと側にいてね。」
「有紀も僕の側から離れないでね。」
「私はキラが離れてって言われても離れてあげないんだから。」
「僕だって。」
キラと有紀は、お互いに笑った。
「キラ、大好きだよ。」
「僕も有紀のこと大好きだよ。」
キラと有紀は夜の海でキスをした。
そして、二人で夜の海を楽しんだ。
〜終わり〜