WORST
□星に願いを
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ある日私は不思議な感覚に目が覚めた
それは温かくて
なのに貴方に呼ばれたような気がした
いつもの場所に足を向けてみれば
そこにはやっぱり貴方がいて
でもそれは闇じゃない
光だった
いつもは背中を向けていた貴方が
初めてこっちを向いていて
私が近くまで行くと
優しく手を取った
「きれい…」
貴方を見上げて思わずそんな言葉を口にした
そんな私に貴方は初めて笑って
「きれいなのは…お前の方だ」
初めて聞けたその声に抱かれるように
貴方の胸に頭を寄せた
あぁ、この人
救われたんだ
星一つない
雪の降る夜だった
fin.