ハリポタ長編2

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「どうしたんだよエイル。
元気ないのか?」

「ん?そんなこと無いわよ」

「なあ、魔法薬学教えてよ。
今日遅刻したらスラグホーンに宿題だされたんだ」

「自業自得じゃないの・・・しょうがないなあ」

「御礼にこれやるから」

「・・・キャンディ?何味?」

「しあわせ味」



手のひらに転がされた2つの飴
包み紙には確かに幸せ味と書いてある。
舐めてみるとトロピカルフルーツとヨーグルトが混ざったような味がした。



「元気でた?」



そう言って顔を覗きこむシリウス
心配させてしまったのだろうか。
いつもどおりに過ごしていたはず、なんだけどな。
けれど気づいてくれたことも嬉しくて
久方ぶりの本当の笑顔を浮かべた。



「うん」












「・・・本当に居たんだ」



きっと、此処に来るのも最後になるだろう。
白いベンチに行けば、彼が座っていた。
手には厚めの本。彼が好きな著者のシリーズ本だ。



「・・・偶然だ」

「そう?」

「言わなければいけないことがある」

「私も」



隣には座らない。きっと立ち上がれなくなる。
これ以上近づけない。きっと涙が出る。

沈黙に耐え切れず、口火を切ったのは私だった。



「・・・あんたなんか大嫌い」

「・・・・・」

「高慢ちきのスリザリンに本気になるわけないでしょう
名家だからって気取っちゃって、馬鹿みたい。
先輩だから今まで気を遣っていたけど、もう限界。
これで終わりよ」

「・・・・・私も、同じ事を考えていた。


婚約者ができるまでの、遊びだった。」

「・・・・・」



あ、やばい



「お前のことなんか、何とも思っていなかった。」



言うのはなんとか我慢できたけど

言われるのは、かなり辛い




視界が、滲んだ。






「・・・私もよ」

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