ハリポタ長編2

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「嫌われたな」

「嫌われたね」

「ざ、残念だったねシリウス」

「お前らちょっと黙れ」



事情を話すと案の定一刀両断された。
ああ、確かに思いを伝えるのは性急すぎたかもしれない。
いや、でも俺結構毎日アプローチしてたよな?
足りなかったのかな。もう少し時間を置くべきだった?
だけど我慢できなかったんだ。



「大体君、エイルの私情に首をつっこみすぎなんだよ。昔の男がどうとか」

「お前がエイルを呼び捨てにするな。アウルヴァング先生と呼べ」

「いいじゃないか、僕らも世話になってたんだ。」

「昔の男を吹っ切れないってことは、シリウスが所詮それ以下の男だってことだよ」

「その言葉今までで一番心に刺さった」

「やったー」

「喜ぶな」



せめて慰めるとかしてくれないのだろうか。我が親友達は。
いや、無駄に慰められても気味が悪いのだが。

所詮それ以下の男
リーマスの言葉を頭で反復する。

俺がマルフォイを越えるにはどうしたら良いんだろう。



「おい、シリウス!」



談話室のドアを突き飛ばす勢いで入ってきたのはハールだった。
息を切らせながらもシリウスを睨む。



「お前姉さんに何言ったんだ?」

「は?」

「知恵熱だしてぶっ倒れた!」

「ぶっ」



思わず噴出した。



「か・・・っかわいい!」

「馬鹿か!お前のせいだぞ!
姉さんは難しいこと考えるとすぐこうなるんだからな!」

「やべぇ、可愛すぎる・・・」



知恵熱って、知恵熱って!
そんなに考えてくれたのだろうか、俺のことを?本当に?

だとしたら、なんて嬉しいことだろうか。



「エイルは?」

「今医務室で寝てる。」

「ちょっと行って来る」

「待てよ、」



ハールに腕を掴まれて振りかえった。
珍しく真剣な顔だ。



「姉さんを泣かせたら、許さないからな」







「・・・・・分かってるよ、このシスコン」

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