夫婦物語(昼)

□朝食
1ページ/2ページ

朝食担当は基本的に桂である。
夕食は銀時で昼食が高杉。
とは言っても高杉は料理が苦手な為、下手に怪我をさせたくもない銀時と桂が殆ど分担して昼食を担当しているのが現状だったりする。

今日は焼いたアジの干物に漬け物、味噌汁といった和食の献立。
味噌汁には高杉の大好きなジャガイモが、高杉の汁椀に多めに注がれていた。

「高杉の米は何時も通りな」

高杉は縁や底にへばりついた柔らかくてモチモチした米が好きだ。
だから桂は何時も最初に彼女の為にその部分で茶碗一杯分の米を盛る。
案の定彼女は嬉しそうに茶碗を受け取り、箸先で餅状の米をつついていた。

「銀時、お前も席に着け」

高杉を挟む形で食卓を作り、三人座った所で合掌。
毎回の食事の号令係は高杉である。

「いただきます」
「「いただきます」」

高杉の挨拶から食事は始まる。
食事以外の様々な生活の部分部分が彼女を基準に始まりと終わりを迎えるのが三人の生活ではあるが、それはまた別の話である。

「銀時、大根と人参の漬け物やる」
「ん、有難うな」

本当は高杉が胡瓜以外の漬け物を食べられないだけであるが、銀時は何も言わずにそれらを受け取る。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ