夫婦物語(昼)

□空色ダーリン
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今日は銀時もヅラも居ない。
三人で暮らすには金が要るなんて当たり前の事で、その当たり前の事の為に二人は朝から派手な化粧をして金を貰いに行ってしまった。

一度だけ俺も働く、と訴えてみた事があるけど、唯一採用された店が…えと、何だったろ…つんでれみにすか、めいど喫茶とかって名前だったので二人から物凄い反対された。
その時ばかりはこの人相の悪い顔を恨んでみたりしたが、生活していけてるから良しとしよう、うん。



という事で退屈な俺は銀時が置いていったシャボン液でシャボン玉をぷわぷわ飛ばして暇を潰している。
ぷわぷわした感じが銀時の頭みたいで、年甲斐も無く大量のぷわぷわを作ってみた。

「銀時大量発生ー」

……つまらない。つまらない挙げ句に寂しい。
シャボン遊びも長い退屈は埋めてくれないので、縁側に寝そべってうたた寝する事に決める。
最近自分がお尋ね者という実感が薄れてきて、牙が折られたどころか引っこ抜かれた気がしてならない。
(その事実を嘆くどころか嬉しく思ってしまう辺り末期な気もする)

「………お」

見上げた空の色は薄い水色と濃い青が斑に透き通っていて、未だに帰ってこない旦那様(なんて言い方した事ない)二人をどことなく思わせた。
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