オリジナルU

□ハロー、神様。
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「…君は2日前から昏睡状態になっていて、今日死ぬ運命なんだ。正確に言うと君はまだ死んでないけれど、これから君は死ぬことになる」


 僕は機械的にそう言って、向かい合って立つ彼女を真っ直ぐに見た。

 彼女は一度頷いて、それから自分の体を見下ろす。胸元にまでかかる髪をさらりと梳いて、小さく呟いていた。


「髪の毛がある…」

「髪が無いままあっちに行きたくはないだろう?長い旅になるし」

「うん、有り難う。手足がガリガリなのは目をつぶるわね」

「歩く分には問題ないよ。それに、これからは痛まないだろうから」


 彼女は笑って頷いた。嬉しそうに髪に触っていたけれど、ふと思い出したようにこちらを見る。

 僕のことを足元から頭まで眺めて、不思議そうに首を傾げた。


「あなたさっきまでそんな格好だった?」

「さあね。君がそういう風に僕への意識を変えたからじゃないかな」


 何やら古めかしいサンダルと衣服。僕はいつの間にか、どこかの神話に出てきそうな格好になっていた。

 頭にある月桂樹の冠をいじりながら、僕は肩をすくめる。


「君は僕のことを何だと思ったんだい?」

「神様では無いの?」

「そうだね、君がそう思ったならそうなんじゃないかな」

「なにそれ。本当は違うの?」

「僕は運命に従うだけさ。神様って呼ぶ人も居れば、悪魔って呼ぶ人もいる。死神と呼ばれたら、まあ多分、それも間違いじゃないだろうね」


 僕はそう言ってから一旦口をつぐんだ。

 不思議そうに首を傾げている彼女を眺めつつ、僕は一息ついてから閉じ続けようとする口を開く。



「そろそろ時間<タイム・リミット>だよ」


 
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