壊滅的組織
□雪の上は合戦場
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雪。それが降れば、人は誰しも好んで外には出たがらない。
だが彼らは違った。S級犯罪組織・暁のメンバーは…!!
雪の上は合戦場
「おや、雪が積もってますね。」
「それは良かったな鬼鮫。雪の中に埋めてやろう」
「Σどんな仕打ちですか?!」
曇る窓ガラスを拭いていた鬼鮫に、イタチが抑揚のない声で告げる。それなのに口元が若干つり上がっているため、結構怖い。
「寒いか?寒いか?寒いだろソォラァアアア!!」
「ぎゃあああ止めて旦那!!死ぬ死ぬ死ぬゥウウ!!」
「オレは傀儡だから寒いも何も感じねぇんだよギャハハハハ!!!!」
「てめっマジで呪うぞォ!!…寒い寒いジャシン様ァー!!!!」
一方反対側の窓辺では、サソリが実に愉しそうな表情で窓を開け放ち、室内に冷たい空気を流し込んでいた。運悪く近くにいたデイダラと飛段が一番被害を受けており、あまりの寒さに絶叫を続けている。
サソリは体が傀儡のため、ダメージは無いに等しい。サソリのサド心に火がついた瞬間だった。
「朝っぱらから元気だなお前たち!よし、雪合戦でもするか!」
と、そこに、サソリたちの姿を見て思い付いたのか雪合戦を提示するリーダー。
リーダーがそう言った途端、イタチの目が輝いた。横にいた鬼鮫の口から息を飲む声が洩れた。
「雪合戦か…ある意味修行にもなる。たまには良いことを言うじゃないかリーダー」
「はっはっは、そうだろう?」
リーダーはイタチの言葉に高らかと笑う。何気にバカにされているのに気付いていない辺りが痛々しい。
「雪合戦か…日頃のストレスを発散できそうだな」
いまだ三つ巴の争いをしている飛段の背中を見て、角都がそう呟いた。
*