壊滅的組織

□花粉症の末路
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春といえば、その暖かさから誰もが喜ぶ季節であるが、物事はそう単純には運ばない。
暖かさの代償はあまりにも大きいのだ。春風と共に訪れるもの、それは……









「ハクショーイ!」

「ぶえーっくし!」

「ブエノスアイレス!」

「違ぇだろ」







花粉症というものは毎年恒例の行事の如く必ず訪れる。それは天下のS級犯罪者、暁の構成員も同じで、花粉症による症状が蔓延していた。テッシュ箱片手に変なくしゃみをするのは鬼鮫、飛段、そしてリーダーの三人だ。明らかにくしゃみじゃないリーダーのくしゃみに、デイダラが無表情で突っ込みを入れる。








「うるしゃあああい!ってか何でお前らはそんなにピンピンしてるんだ!俺達は花粉に身体中蝕まれているというのに!」

「うるせーのはそっちだよ、うん。リーダーとオイラじゃ身体中の作りが違うんだよ、うん」







鼻水を垂らしながらぎゃあぎゃあ騒ぐリーダーだが、華麗に流すデイダラ。デイダラ達はしっかりと花粉症対策を早めから始めていたので目に見えた症状はないのである。それに対し何の対策もしていなかったリーダー達は悲惨だ。
目を真っ赤に充血させ、鼻からはひっきりなしに鼻水が垂れ、その周りはテッシュの使いすぎで赤くただれている。








「だから早く薬でも買えと言ったんだ…」

「うるせー!だいたいテメーが無駄遣いするなとか言って金寄越さなかったんじゃねーか!呪うぞコラ」

「うるさい飛段。お前は自分の姿を見てみろ、お前が一番呪われているぞスギの木とかに」

「ちくしょォォ伐採してやらァアア!」







悪態をつく飛段に角都は札束を数えながら吐き捨てた。飛段はスギの木に対する憎悪の心から、たまたま部屋に入ってきたトビの仮面を叩き割った。彼の仮面がスギの木で出来ているのかは定かではない。








「っぎゃー!木片が!木片が目に!」

「ゲハハハハハァ!神罰だぜエェ!」

「(理不尽な神罰…)」







木片が目に刺さり苦しむトビを見て狂ったように高笑いを続ける飛段を見て、鬼鮫は心でボソリと呟いた。
そんな彼らを傍観していたサソリは、何を思ったのか窓辺まで歩み寄り一気に窓を開け放ち、花粉の吹き荒ぶ空気を室内に引き込んだ!







「ぎゃぁああ!何やってるんですかサソリさんんん!」

「うるせー。さぁ泣き叫べよソォラァアア!」

「もー十分泣いてますから!いろんな意味で泣いてますからぁああ!」

「うるさいぞこの病原体。病原菌を室内にばらまくな。アジト中のテッシュ焼き払うぞ」

「Σ理不尽ッ!」








愉しそうに笑うサソリの隣にいつの間にかいたイタチ。彼は花粉症など何のそのといった顔で、花粉症患者の必需品であるテッシュを破ってみせた。これは精神的ダメージがでかい。

こういうことを体験しても、彼らは毎年懲りずに花粉症になるのである…。









<オワレ>

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