REBORN.
□可愛い君。
1ページ/2ページ
「ひッ・・・ひック、ひゅ・・・っ」
あぁ、傍から見たら間抜けだろうに、僕にはこんなに可愛く思える!
・・・*・・・*・・・
「ヒック、はぁ〜・・・ック、もう、嫌だ・・・ヒック、」
帰り道。
君は僕が放課後に迎えに行った時から、ずっとしゃっくりを繰り返している。
話をしているとそれで途切れるからと、君は話すのを止めてしまった。
少し寂しくも思いますが・・・
「ひック!」
饒舌なしゃっくりを繰り返す君は、こんなに可愛い。
する度に回りを気にして、僕しか居ないのに、顔を真っ赤にして。
「なかなか止まりませんね?」
コクリ
苦笑しながら問い掛けると、拗ねながら頷く。
君が僕に向ける表情や行動。
どれもが僕には新鮮で、どれもがこんなに愛しい。
「何か飲むと良いかもしれません。」
公園に差し掛かった時にフ・・・と思いついて、綱吉君をベンチに座らせて自動販売機に向かう。
何が良いだろうか・・・?
無難にお茶でしょうか?
ジュースの方が良いか・・・
その場合、炭酸入りでも大丈夫だろうか?
あれこれ考えて、思いついた全てのボタンを押せば、当然両腕で抱えるほどになってしまった。
僕としたことが、まるで不器用な初恋だ。
綱吉君と居ると、いつもの僕でなくなる。
柄でもなく、何かと不器用になる。
きっと笑われるだろうと戻れば、君は足を遊ばせながらぼんやりと空を見詰めていて。
小走りに駆け寄った僕に気付いた君は、僕の腕の中の大量のペットボトルを見て笑った。
.