短編小説

□愛しい人よ
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拙者は…

愛しい人よ

拙者は多くの人を斬って来た。
ただ次の世のためにと……。

流浪にとして流れることで、人と関わらず、また愛しい人を見つけずに済むと思
っていた。

それが
神谷道場に居候させてもらって少し日がたち
出会ってしまった
好きになってしまった
愛しい人を
見つけてしまった……。

彼からの深夜の呼び出しは告白……
だった。

彼は拙者が人斬り抜刀斎と知っていた…。
それでも『好きだ』と言ってくれた。

とても嬉しかった

でも
それでも
嬉しくても

彼の手を自分の手で汚したくなかった。
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