短編小説
□愛しい人よ
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「さ、の?」
拙者は驚いて彼の名を呼んだ。
「剣心…」
「さ、左之!」
急に顔が近くなったかと思ったら
唇を塞がれた。
「んっ!…ん、…ふっ…ん…」
舌が口の中に入ってきて、暴れられる。
それでも
優しく
ついばむように
長い接吻の後、要約、唇を話してくれた。
「左之、何で?」
拙者は知らぬ間に目尻に涙をためていた。
左之と呼ばれる青年は
『お前が無理してたから。 どうせ、自分は汚れてるからとか思ってたんだろ?』と答えた
拙者は左之の言葉に驚き、全てを見透かされていることを悟った。
「分かっているなら、もうこんなことは…!」
拙者は今一度、左之に強く抱きしめられた。
「少しずつ、少しずつ変えてゆくから、待っていてくれないか?」
左之の胸に顔を沈めていたが、耳まで真っ赤なのは隠せず、左之はクスッと笑い、拙者の頭を撫でた。
「あぁ」
その言葉に安堵し、顔を上げ、二人は長い接吻をした
END