悲創書-啼-
□闇
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ある日 僕は種を撒く
雨の日も風が強い日も雪の日も
大事に大事に育ててきた種はやがて芽吹き 花を咲かせ
僕を喰らった
ギラリと光るたくさんの歯が見えた
僕の全身の骨を噛み砕かんと
たくさんの長い蔓が絡み付いてくる
僕を絶対に離すまいと
なんで
僕は綺麗な花が見てみたかっただけだよ
どうして
僕は食べられちゃうの
目が覚めると
僕の口の中で
骨が折れる音と叫び声が聞こえた
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