英雄達の

□それは焔のように
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バーナビーは虎徹宅のリビングのソファに座っていた。
虎徹はキッチンで洗い物をしている。
今日は虎徹に夕食に招待され一緒にテーブルを挟んだのだ。
本当はバーナビーも手伝いに行こうとしたのだが、お前は休んでいろと窘められてしまった。
やることもないので、テレビの電源を点ける。話題になっているドラマをしていたが、数える程しか見たことがないので話の展開が分からない。直ぐに退屈になってしまった。

「……?」
少しうとうとしていると、ソファが動いた様な気がした。
バーナビーが目を開けると、洗い物を終えたのだろう。隣に虎徹が座った所だった。どうやら、少しの間眠ってしまっていたらしい。

虎徹は点けっぱなしだったテレビを興味深そうに見ている。
「おっ、この女優さん、美人だよなあ」
「おじさん、知ってるんですか?」
「そりゃあな。だって今、人気なんだろ?此の子。……若しかしてバニーちゃん、知らな」
「知ってますけど」
知らずと無意識のうちに牽制していた。
そのくせ、二本の腕は虎徹を求めて伸ばされ、彼の腰に絡みついた。そのままバーナビーは虎徹の肩に顔を埋める。
「うん?」
虎徹は不意に甘えてきたバーナビーの髪を、優しく撫でた。数回繰り返した所で、擦り寄って来たバーナビー。きっと温もりが気持ち良かったのだろう。それを見た虎徹が、はは、と笑った。
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