main 〜Moira〜

□何度でも、そう、何度でも。
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「タナトス、また来たのか」
微笑んだタナトスの前でそう毒づいたのは、エレウセウス。
「何度デモ来ルサ。君ガ我ノモノニナルナラ」
何度も聞き慣れてしまったそのやり取りに、エレウセウスが溜め息をつく。
「だから、俺は貴方のものにはならないと、何度言ったら分かるんだ?」
「分カラナイ」
そんな憎々しい台詞を、にこやかな笑顔で言うものだから。
「・・・聞き分けの悪い子供みたいだな、貴方は」
「其レハ君ノ方ダ」
こう言えば、そう返される。
「未ダ、自分ヲ苦シメタィノカィ?」

エレウセウス、と名を呼ばれれば、何故か心が揺れてしまう。
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