main 〜Moira〜

□何の気なしに
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レオンティウスの金色の房が顔にかかり、エレウセウスは右手でそれを払った。

「何のつもりだ」
「何の気なしに」

にこりと微笑むその顔を殴ってやりたくなる。
「人をいきなり押し倒しておいて、悪気も何もないって言うのか?ふざけるな!」
怒りを顕にするエレウセウスに対して、レオンティウスは彼の両肩を抱いて顔を近付ける。
「おやおや、エレウセウス。少し口の利き方を考えた方がいいよ?」
否応がなしに顔に吐息がかかり、それを避けるかの様にエレウセウスが横を向いた。
「し・・・っ、質問に答えろッ!」

強気な言葉とは裏腹に、明かに動揺しているのが見て取れる。レオンティスは微笑むと、彼の頬に優しく唇を落とした。びく、と震えて自分のマントを掴んだ彼に、今度は首筋に吸い付くように唇を寄せる。
「!っ、あ・・・」
エレウセウスの眉根が寄るが、構わずそこへの愛撫を続ける。
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