リク献上スペース

□如月様へ(第一回リク分)
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「・・・!此処にいた・・・」
ずっと探していた見慣れた髪の色を見つけ、レオンティウスは足を早めた。
ある樹の根本で無防備にも寝転がっているのを見ると、溜め息が漏れる。
「伴もつけずに・・・」
傍らに腰を降ろすと、風が頬を撫でる。木洩れ日が心地よく相まって、彼が寝てしまったのも理解できる。
「しかし・・・こう、していると・・・。寝首を掻かれでもしたら、どうするんだ」
微笑を浮かべる夢の中のエレウセウスを見やり、レオンティウスは身を屈めた。
「襲われても、文句は言えないんだからな・・・」
当然かの様に彼の頭の両横に肘をつき、更に顔を近付けたその時。
目を開けた、その顔が驚きに満ちて。
「ーーッ!?れ、レオーーー!」
「うぐっ!?ーーっ!」
世界が、反転した。

というより、何度も。
場が悪く、木の下が緩やかな傾斜になっていた為に、バランスを崩し縺れ合い、転がり合ってしまったのだ。


最後にどすん、とお世辞にもよろしくない音を立てて、それは停止した。
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