リク献上スペース

□如月様へ(第一回リク分)
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唐突に現れ(何時もの事だが、全く)、唐突に抱き寄せられ(不名誉だが何時もの事になってしまっている)、じっと瞳を覗き込まれた。
なんだよ、と呟けば、金メッシュの彼は瞳を逸らさず口を開く。
「死を抱く紫水晶の瞳・・・と母上も仰っていた」
「は?」
母上?と返そうかと思ったが、再び口を開いたので、大人しく聞いてやる。
「綺麗な色だ」
しかし一向に目を逸らそうとしない為、何故かと問うた。その問いに対する答えは・・・
「紫水晶は気持ちを和らげる効能があるそうだから」
だから、見ているのだ、と。
全く以ての予想外れ。エレウセウスはため息をついて答えた。
「確かに私の瞳は紫だが、紫水晶ではない」
「それ程美しいと言っているのだよ、アメトゥストス」
真正面から言われて言葉に詰まるエレウセウスに、レオンティウスがそっと髪を撫でた。
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