リク献上スペース
□紫苑様へ(第三回リク分)
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嘗てはちょっとした諍いの所為で険悪だった仲も、少しずつ快方へと向かってきている。
そんな中で、イヴェールからの突然のお茶会への申し出。
悪い気はしなかった為、エレウセウスも二つ返事で訪れたのだった。
そして、紅茶。
その存在自体は知っていたが目にした事の無いエレウセウスの為に、イヴェールがとっておきを用意してくれたという。
内心、かなり楽しみにしていた。
しかし。
エレウセウスは再度カップの中を覗き込む。琥珀色に浮かんだ自分の顔。鼻孔をくすぐる甘い香り。その一つひとつが自分にそぐわない気がして、違和感を覚えたのだ。
「さぁ、どうぞ。エレ君」
にこりと微笑むイヴェールに勧められ、おずおずとカップを手に取る。
恐る恐るカップの淵に唇を付け、こくん、と喉が上下した。