暫時を唄う御伽噺

□Unknown
1ページ/1ページ

 なんだろう、この気持ち


 分からない、奇妙な感情




Unknown




 本当に何なの? これ……
 あの人を考えたら嫌くらいにドキドキする。
 心臓が五月蝿くて、音を小さくしようとしても思うようにいかない。

 そうだ、これはきっと憎しみに違いない。気にする必要なんてない。
 僕はこの痕の痛みだけを覚えていればいいんだ。
 そう自分に言い聞かせる。

 だけど……思うようにいかない。



 初めてな気がする、こんなの。
 あれからあの子のことばかり考えてる。
 あの、憎しみの篭った瞳で見つめられるとゾクゾクする。
 逆に言うと、『あの子』限定のゾクゾク感。

 あの子を少ない記憶から掘り起こさないと人殺しも楽しくない。
 なんか危ない、病気か? って不安になってくる。

 とりあえず、この感情に名前でも付けたいポン



 あの人のことばかり心に刻まれてる
(嗚呼、憎しみに隠れてる恋)
 あの子のことしか想おうとしない心
(そう、「恋の病」と言う病)



 気付きたくない、よ


 気付きたい、りゅん



 きっと、これは
       (この、恋は)
 いつの日にか
      (近い未来に)



 愛に成る



この素晴らしく未知な心、―――

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ