記念を唄う御伽噺
□二人の世界
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ルカはその夜ベッド、本を読んでいた。
(えへへ♪ 今日はスパーダじゃなくて、リカルドだからゆっくり本が読める!!)
ルカは、本を開いた。
そして、どんどん読んでいくうちにある人がやってきたことを、気付かなかったのであった――。
「ふーっ! 読み終わったぁー♪ 意外に面白かったな。あれ」
「おー、そうかそうか」
「! す、スパーダ!! いつの間に!?」
いつの間にかルカの隣には、スパーダがムスッとした表情をしながら、座っていた。
「ごめん、気付かなかった…」
「……ふん」
「ねえ、ごめん。いつからいたの?」
「最初っから。リカルドがアンジュと話し込んでいたから、お忍びでルカのところにいたら、これよ」
スパーダは、そっぽを向いた。
「ごめんよ。だって、面白かったんだもん。物語が………」
「なあ、ルカ?」
「何? スパーダ」
「俺と物語、どっちが好き?」
「えっ…、あー、えっと……」
「早く言えよ」
「す、スパーダ……だよ////」
ルカは、顔を真っ赤にしながら、スパーダの目を見て言った。
ルカの真剣な眼差しに、スパーダも思わず顔が赤くなる。
「だ、だったらよ…」
「?」
「キス……してみろよ」
「いっ!?///」
「じゃなきゃ、ルカのこと信じられない」
ルカは、暫く黙ったが、意を決して
「スパーダ」
「ん?」
スパーダがこちらを振り向いた。そして
「んぐッ!?」
キスをした――。
「る、ルカ!!!」
「こ、これで信じてくれる?」
ルカの問いにスパーダはにっこり笑って
「当たり前だろ?」
「スパーダ♪」
ルカはスパーダに飛び付いた。
その後――――
「るーか♪」
「スパーダ♪」
「「大好き!!」」
と、リカルドがやってきたのを知らずにイチャイチャしていたとか……。