黄昏の騎士

□綺麗な使用人
1ページ/4ページ


「…おかえりなさいませ」

屋敷に入ると、綺麗なメイドさんが目の前に立っていた。

そして、ペコリと頭を下げた。


「…こ、こんにちは!
ユウリです」

あたしが挨拶すると、彼女は優しく微笑んで「マリアンです」と返してくれた。


…ほわ〜!!

かわいい、そう思ってしまう。

…ってか、なんか緊張する。

…美人。

完璧に洗練された装いを感じる。

「………チッ!!」

イライラ!!イライラ!!イライラ!!イライラ!!イライラ!!!!

「…ん、どったのリオン?」

…なんか、イライラしてない?

ブラックオーラが出てますけど?

「ふん、早く二階の客間へ行くぞ!!」

そう言ってズカズカと彼は進んで行く。

「…何なんだよ、いったい?」


あたしも後に続こうとした時、マリアンに呼び止められた。


「…あの、ユウリさん」

「ユウでいいですよ」

基本的に敬語が苦手なあたしだが、彼女の前だと何故か敬語になる。

…なんかメイドパワーを感じる。


「リオン様の事、嫌いにならないで下さい。
…あれでも、根は素直な子なんです」

「…ええ、知ってます。
これでもあたしはアイツの一番の友達のつもりですからっ!!」

あたしがそう言うと、彼女はニッコリと笑った。

「…何をしているッ!!
…早く来いッ!!」

そして、リオンの怒号が飛んで来た。

「……何をプリプリしてんだが…」

あたしは、マリアンに「それじゃあ」と、お辞儀をし、階段を駆け足で上っていった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ