黄昏の騎士

□砂漠の島
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「カルバレイスに着いたぞ」

はい、マリーさん説明ありがとう。

「あっつ〜、何よここ。
…本当に…うっとうしいわね」

…確かに!


しかし、私の隣りに元気な奴がひとり。

「気持ちいいなぁ!」

「もしもし、スタン、本気で言ってる?」

「もしもし、こちらスタン。
本に気と書いてマジですけど」

…なんか、元気が奪われる暑さだ。

…ツッコム力も出ない。

…ちなみに、フィリアはなんか死にそうだ。

…格好からして暑いし。

「くーなんだか元気が沸いてきぜぇ!!」

「…暑っ!!ウザっ!!」

てか鬱陶しいッ!!

「…け、健康ですね?」

「…馬鹿なだけでしょ?」

ルーティが悪態づく。

「…バルック基金のオフィスへ向かう。
オベロン社カルバレイス方面支部だ」

坊ちゃんもなんか既にヘロヘロだ。

「…そこで情報をあつめるのだな?」

…マリーですらキツそうなのだった。

「…おい、バルック基金のオフィスはどこだ?」

…リオンが聞いた。

しかし村人は無視した。

「避けられてるッ!!」

燥いだらリオンにチョップされた。

「すいませーん、道を聞きたいんですが?」

今度はスタンが話しかけた。

しかし無視された。

「…ありゃ、町の人の反応が冷たい」

「スタンの熱血純情ストレートを持ってしても無理だとすると、地道で探すしか方法はなさそうね」

…後全員変化球ピッチャーだし。

いや、マリーはムービングファストボールかもしれない?

少しだけ変化するストレートって解釈でアレは合ってるのかな。

「…何をブツブツ言っているんだ?」

「あんたみたいな三角形の底辺には分かんない上品で気高い事よ」

「この世の底辺が何をほざく」


ゴスッ!


「ごふっ!」

あたしの左アッパーがエミリオの顎を捉えた。

しかしカウンターの右ストレートを腹部に食らった。

「…あんた達って、本当に上司と部下な訳?」

ルーティが不思議がってあたし達をみる。


「あったりまえよ!
…ほら、リオンさん行きますよ」

「『さん』で呼ぶな、耳が腐るだろう」

…どーいう事だッ!!

「リオンのバーカ!」

「バカって言う方がバカなんだ、バーカ」

エミリオはニヤリと笑う。

…不覚!

あたしの十八番を…!!

「ひ、人を殺したくなくて機関銃撃つ訳じゃないんだからね!」

「…気でも狂ったか?」

「いや、ツンデレ好きかなって?」

「…どこがツンデレだ?
むしろ唯の殺戮者だろう」

「まあ、そうとも言う」

「そうとしか言わん」

『ふたりとも、漫才してないで探しに行きましょうよ?』

…ちなみにみんなはもういなくなっていた。

「…そうね」

「だな。
全く僕とした事が阿呆と話込んでしまった」

「くっ!
バカじゃないから反論出来ない」

『そんなにバカ重要!?
阿呆と対して変わらないんじゃ!?』

シャれ(シャル黙れ略)!

「…お〜い!ふたりともこっちにあったぞ!」

声のした方を振り向くとスタンが大きく手を振っていた。

「さて、行こっかリオン?
いい感じにサボれたみたいだし」

スタンのバカが見事に仕事をこなしやがった。

「…サボった訳じゃない、唯、バカと田舎者は使いようと言うだろう」

…スタンにしか当てはまらなそうだな。

「…もうちょい素直になったら、好きになるのに…」

乙女っぽく言ってみる。

「吐くぞ?」

「いいよ。
写メに取って汚物リオンって一斉送信するから」

…名声ガタ落ちだな。

「…ふっ、送る友達いないだろうが、おまえ」

「なめんな!
100億くらいいるっての!」

『世界の人口を遥かに凌ぎますね?』

「うるさい!
てか、リオンに言われたくない!
…そういえばさっき軽く流したけど写メってなんだか分かるのか?」

「そこは聞くな」

…とか、なんとか会話しながらあたし達はバルック基金へと向かうのでした。
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