黄昏の騎士
□さんぶんのいち
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―カルビオラ―
…あたし達は地獄のような砂漠を抜けて、やっとカルビオラへ辿り着いた。
ルーティは「…お金!」とか言って蜃気楼目掛けて駆けて行くし、フィリアは気付いた時からずっと意識不明にな、マリーは変なキノコをくって死にかけるし、スタンは巨大蟻地獄みたいなのに飲まれるし、リオンはマリアン連呼するし。
「あたしが居なかったら確実に全滅してたなこのパーティ」
「…ってリオンにおんぶされた状況で言ってもね?」
ルーティはニヤリと笑う。
そう言うルーティだってマリーに肩を貸してもらっている。
ちなみにフィリアもスタンにおぶられている。
…あたし達の状態はさながら魔王と戦ったように見える。
仕方ないでしょ!
慣れない足場で崩れたところを攻撃されたんだから!
…幸いにも足だったけど。
「…リオン!
もう街ついたから下ろして!」
恥ずかし過ぎて死ぬ。
「ああ」
そう頷いたリオンにゆっくりと下ろされる。
ガクン
ドサッと尻餅ついた。
「さあ、ストレイライズ神殿に向かいましょ!」
あたしは尻餅着いたのを無理矢理誤魔化した。
「…おまえ」
リオンにジッと見られる。
「…あ、足に力が入らないのよ」
『多分神経を麻痺させる毒ね』
『みな、疲れておるし、今日は宿で休憩してはどうじゃ?』
賛成と、全員が頷く。
「…だが、神殿には見張りをつける。
…逃げられては適わないからな」
『そうだな』
デイムロスが頷く。
「ほら、行くぞ」
リオンはあたしにやれやれと手を差し延べる。
「…ありがと!」
あたしは彼の手を握る。
「熱いわね」
ルーティが笑う。
ビリバリビリ!
ルーティは黒焦げになった。
あたし達は、宿屋に向かうのであった。