B
□第零歩
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「この世で一番美しいのは、誰じゃ?」
女は優雅に鏡に問う。
「それは白雪―――」
ガッシャーン!!!
大きな音を立てて、鏡が割れる。
すると、女は別の鏡に向かって語りかける。
「この世で一番美しいのは…」
「うん女王様だよ。じょーおーうーさーまーだーよー」
鏡の『向こう側』のその人物は、白い仮面に赤く描かれた不気味にワラう目と口で呑気にそう言った。
「ねーホント、鏡を割るなんて邪道だよ?人外だよ?人でなしだよ?」
「そんな訳あるか」
鏡の破片をグシャグシャと踏みつけながら、女は苦々しく呟いた。
「妾の名を言わぬからじゃ」
「違うね。100パー機嫌が悪いからだね」
純白のマンとを翻し、仮面の人物は続ける。
「じゃあさ…この世で一番不幸せなのは一体誰だとお考えなのかな?女王陛下?」
「妾だと申すのか?」
「まっさかぁ」
目頭をたてた女王をおちょくる様に、仮面の人物はケラケラ笑う。
「――そんなの、これからクソ生意気なガキンチョ共と一緒に暮らす事になる、“白雪”姫に決まっているでしょう…?」
「…殺す…」
ぷち、と花びらを一枚千切る。
「…殺される…」
ぷち…、