異次元の幸せ(番外編)
□夢に向かってー番外編vol.1(初夏の休日)ー
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もうすぐ夏休みに入る
そんなある日
部活を終えて、もう毎日の習慣になったように一緒に帰る中で
会話をしているさなか
彼は突然こう言った
ル「・・そういえばさ」
テ「?・・はい」
彼は顔を覗き込むように近づけて
ル「・・やっぱり」
テ「な//・・なんですか//?」
ル「ティアさんの瞳ってさ、透き通るような蒼色をしてるから・・まるで海みたいだなーって思って」
テ「えっ//・・・そ、そうですか//?」
ル「うん」
なんだかくすぐったい言葉だった
そんな風に言ってくれたのは彼が初めてだったから
ル「まあ空にも似てるけど・・どっちにしろ俺は好きだな、その色。見ててすっげー落ち着くから」
テ「・・・ありがとうございます///」
今まで自分の瞳の色なんてあまり気にしたことなかったけれど
彼がそうやって言ってくれるだけでこんなにも自分の瞳が愛しくなる
部活を終えて火照った体がさらに熱い
ル「・・海かぁ、そういえばあまり行ったことがないなぁー」
テ「そうなんですか?」
ル「うーん・・あまり機会がなくてさ」
テ「・・・行って、みますか?」
ル「え・・?」
テ「ぁ//・・」
何を言っているのか自分でも理解できなかった
なぜ言ったのかさえわからない
この夕方でも残る暑さに頭が少しおかしくなっているのかもしれない
それでも、ただ理由があるとするならば
きっとそれは
テ「あ、いえ//・・私はただ先輩が海の色に見えた私の瞳を好きと言ってくれたので・・・それならと//・・・」
さっき彼の言った言葉が影響してるに違いない
ル「そっか//・・いいね、行こうか」
テ「えっ・・本当ですか!?」
ル「なに驚いてるんだよ、ティアさんが言いだしっぺだろ?」
テ「そ、そうですけど・・」
彼はほとんど即答だった
顔を見ると、確かに嫌そうでもなかったけれど
自分の中ではいきなりあんなことを言ったら断られると思っていたから
ル「じゃあ今度の日曜、ちょうど部活も休みだしその日にしようか。それとも何か予定ある?」
テ「だ、大丈夫です!いきます//!」
ル「そう?まあ俺はこんなんだから海に入るとしても腰くらいまでだけど・・どうせ行くなら楽しまなきゃな」
テ「そうですね・・それでは待ち合わせ時間を・・・」
ル「決めなきゃいけないな。そうだなぁ・・じゃあお昼過ぎに俺がティアさんを迎えに行くよ」
テ「わかりました。私、今から楽しみです」
ル「ははっ、俺も」
こんなに次の休日が待ち遠しく感じるのは今までにそうありはしない
まだこの想いは伝えてないけれど
私こんなに幸せでいいのかな
そう思えるのは
あなたのおかげです、先輩