異次元の幸せU

□第一話『その名をアビス』
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ただいま五月半ば

天気は快晴

過ごしやすい心地のいい風が吹き抜ける今日

ここは聖ユリア学園校門(といってもでかすぎ)

お金持ちの生徒が多いこの学校は

毎朝黒塗りの車が門の前にわんさか停まっている

その車たちの間をすり抜け

現れしは一人の美少女

テ「まったく・・今日もあいかわらずね・・・学校くらい歩いたり自転車で来たらいいのに」

そう言いつつ黒塗りの車たちを見ながらため息を吐くのは

『二年生

名前 ティア・グランツ

全校成績3位

家は一般的な庶民の家柄』

彼女はその艶やかなマロンペーストの髪を靡かせながら門をくぐる

すると途端に周りの生徒が両脇に逸れ整列し、彼女に道を作る

「おはようございます、ティアさん!」

「きゃー♪アビスのティアさんよ!」

「今日も素敵です、ティアさん!」

テ「・・・はぁ・・」

彼女はそれを見てさっきよりも大きなため息を漏らした

テ「あなたたちねぇ・・もっと普通に挨拶はできないのかしら・・?」

「そんな・・それじゃあだめなんです!」

「アビスの皆さんは私たちの憧れなんですから!」

テ「憧れって・・私たちはあなたたちと何も変わらない普通の生徒よ。だからそんなことをしなくても大丈夫だから、じゃあね」

ティアは相手の生徒にそう言うといつも彼女らがいる場所である温室に足を向けた

しかし、その途端後ろではさっきと同じような歓声が上がり、ティアもその方向を向く

するとこちらに手を振っている数人の人物が目に入った
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