異次元の幸せ

□夢に向かって―事件―
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帰り道、私は悩んでいた
他の子と同じように、私だって彼ともっと仲良くなりたい。マネージャーになって彼のプレーを、かっこいい姿を近くで見たい

でも、そうすると兄に迷惑がかかってしまうわけで

そう考えるとすぐ頭がぐちゃぐちゃになってしまって

私は溜め息をはいた

「ねぇ、そこの彼女〜」

声にふっと我に返ると、いかにも軽薄そうな男の人が二人私の後ろに立っていた

「うわ、君すっげー美人!ねぇ、俺たちと一緒に遊ばない?」

私は少し怖くなった。自分の中の何かが危険だと告げていたから

テ「す、すみません。少し急いでるので」

そう言って立ち去ろうとしたが、その二人組は私の前を遮った

それどころか、今度は肩に手をおいてきた

「ねぇ、行こうよ。ねぇ」
「そうだよ、行こう」

もうこれ以上はだめだと思い、声をだすことにした

しかし―

テ「きゃっ!ん〜ん〜」

「アブね。声だそうとしやがって。おい」

「ああ」

口をふさがれ、すぐそこにあった車に連れて行かれる

テ「ん〜〜。ん〜。」

「おら乗れ!」

車のドアが開く―

テ(もう駄目・・!)


「ぐあ!」

私の口をふさいでいた男が突如倒れる

テ「んはっ。はあはあ。えっ?」

倒れた男の隣には

土の色に変色した野球ボール

「ぐっ!」

すると後ろから苦しそうな声

振り向くと

二人組のもう一人が倒れた

その隣には

私の悩みの原因である
きれいな朱髪の青年
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