光の青葉

□マフィアパロ
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「……そっちから赴くなんて珍しいな…及川」


「俺だって好きでこんな所に来てる訳じゃないし」


「…じゃあかえ「嘘です、すいません」……」


及川は珍しく乗せられてしまったと舌打ちをしたかと思うとレモンティーを口に運ぶ


「…随分、躊躇がないな」


「ウシワカちゃんに好かれてる自覚はあるしね…毒なんて入ってないでしょ」


ウシワカこと牛島もそんな及川を見て自分も一口飲んだ


「で、今日は何しに来た」


「……俺に……俺のチームにビルを貸して」


「……理由を聞かせてくれ」


「じゃあ聞いたら貸してくれるんだね?見返りはそれでい「いや待て」ふぅん……?」


意味ありげに笑う及川に牛島は考えこむ
別に及川たちに何か理由があろうともそれを知ったところで自分たちに何か得はあるのか
無いなら別の見返りを求めるべきなのではないか
牛島は頭の中ですぐさま考えをまとめると及川を真っ直ぐ見た


「…お前がウチに来てくれるなら考えなくもない」


「……はぁ?!」


「好かれてる自覚はあるんだろ?俺に」


「うっ…」


「なら何故お前は俺がこういう要求をしてくると考えなかった?珍しく頭が働いていないな?」


笑う牛島に及川は顔を真っ赤にして叫ぶ


「っ!…今一大事なの!」


「なら見返りなどいらん」


「俺が嫌なんだよ!ウシワカちゃんに借りを作るの!!」


「………なら、こういうのはどうだ?」


牛島はもう一口、レモンティーを口に運ぶと及川を見て笑った


ーーー


「無事か日向!!」


「影山ァァァァっ!!散弾銃使うなら言えよ!!」


「だから今、心配したじゃねぇか」


「前持って言えっての!!ふざけんな!」


パンッと乾いた音と共に影山に向けて銃弾が飛んだ
影山はそれを予想していたように交わす


「危ねぇだろ日向ボケェッ!!」


「俺を命の危険晒したのお前だろ?!」


「……結果的に二人共生きてるんだからいいじゃん」


「二人共、ちょっと黙って?ね?」


「「うぃっす」」


山口が影山、日向の頭に拳銃を突き刺しニコリと笑った
二人は一気に静かになった


「さて、いつまでそうしてるつもりですかね………」


カチャリと銃のロックが外れる音
しかしそれは4人のモノではない
影山はチラリと後ろに目をやってまた前を見た


「…月島」


「…はぁ……分かった…行くよ二人とも」


「え、ちょっ…月島っ?!」


「ツ、ツツツッキー?!」


影山に背を向けてビルを出ていこうとする月島
呼ばれていたであろう日向、山口は月島、影山、月島と交互に見ながらも月島についていく


「………あとは任せたよ……………」


“王様”


影山は月島の呟きに返事をするかのように銃のロックを外した
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