光の青葉

□傷跡
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「おはよう一くん…今日もありがとうね」


「いえ、俺が勝手にやってることっすから」


学校に行く前
俺は必ず及川の家に寄る
今までずっとそうしてきたから癖がついたというのもある
でも一番の理由は…


「じゃあコレ…今日のは少しハードかもしれないから頑張ってだって」


「ありがとうございます」


おばさんから渡されたのは30枚くらいのルーズリーフ
及川が昨日考えてくれたメニューだ
前日のメニューと俺が伝える選手たちの様子で毎日のメニューを考えている
病院で


本当は及川もあの体育館にいるはずなのに


「それじゃあ行ってきます」


「行ってらっしゃい、気をつけて」


及川がいないだけで俺は毎日が憂鬱だ


でも及川を全国へ連れていきたいから


俺は…… 


今は一人でやっていくしかない


「岩おはよ」


「おはよう」


「おはよ、花、松」 


「「「はざまーす!」」」


体育館へ行くとすでにほとんどの部員が来ていた
無意識に及川を探してしまう自分に苦笑しながら花と松に及川考案のメニューを渡して一旦部室へ行った


「あ、はざます、岩泉さん」


「……おはようございます」 


「おう」 


部室には金田一、国見がいた
ここにもやっぱり及川がいない
及川のロッカーはあるのに及川はいない
それは何だか不思議だった


バッグを置いて着替えるためにロッカーを開ける


「岩泉さん聞きました?」


「あ?」 


「来週、烏野と東京に合宿行くみたいですよ」


「………は?」


「あれ?聞いてませんか?」


初耳だった
東京に合宿?


「……ずいぶん急だな」


「……なんでm「金田一」ちょっ…国見!」


金田一が何かいいかけていたが、国見が部室の外に連れて行ってしまった
合宿か…
意外だな
今までだってOBたちと良い練習してたけど…
まぁ、たまにはいいのかもな


「岩、はじめよーぜ」


「今行く」
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