story
□貴方はバカな人ですね。【クロ月】
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「…別居……ですか」
赤葦さんとの宮城観光を終え、家に帰ってみると慣れない匂いがした
臭い
人工的な匂いだ
リビングに入るとソファに神妙な面で腰掛ける二人の姿があった
僕たちはもともと、テンションは高くないからそれが普通なんだケド
あの二人が静かだと気味悪い
そうして、僕たちは話を出された
「今まで四人で暮らしてきたのを何でこのタイミングで変更するんですか?」
赤葦さんはキッチンでコーヒーの準備をしながら尋ねた
「…僕が働いてからじゃダメなんですか?」
あと一年待つ
いや、そんなに無いか
「赤葦が仕事を始めた頃から考えてたんだけどな…」
「え?もう2年も前じゃないですか」
「そうなんだよ!俺たちさー…男の中でも長身じゃん?だから物件無く「どういう事ですか」あ、赤葦?」
「俺と月島に黙ってお二人は仕事の合間を縫って物件を探してたんですか」
「黙ってたのは悪かった…ちゃんと相談するべきだったよな」
「で?」
「「は?」」
「理由」
「ぁ、あぁ……蛍は学校もあったし、バイトもあるし…夜はあんまり遅くまで起きられないだろ?でも俺とか木兎は深夜帰りで昼出勤だから蛍とは生活時間が合わねぇんだよ」
「タイミングが無かったんですね、分かりました」
「でさ〜俺と赤葦は新しい物件でいいか?俺の会社から近いから駅にもち「……そういう事なら俺、実家帰りますよ」はぁっ?!」
「俺はこの物件が気に入ってるからここに住んでる訳ですし…実際、実家からなら会社近いんで」
「待て!待って赤葦!!俺はどうなんの?!」
「…新しい物件に住んで下さい、土日は俺も行きますから」
「…僕と黒尾さんはそのまま?」
「そーゆーこと」
「…分かりました…」
「ん?何、蛍…寂しいの?」
「…別に……」
「なら土日はみんなでここ集合な!ついでに俺の部屋は残しといて!ヤリ部屋にするから!」
リビングの他、4つの部屋のうち、2つには防音効果がされている
ひとつは玄関から一番近い木兎の部屋
もうひとつは一番奥にある僕の部屋
「んじゃ、明日は四人で飲むか!!」
きっと、この人達は気づかない