光の青葉

□夢喰い人と浄化人【及川・岩泉】
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「飛雄っ!!」


「え、及川さん?」


烏野の体育館に突入した俺と及川
及川は影山を見つけると叫んだ
及川が言うには金田一の夢での時間は5:50だったらしい
今は4:58


「及川に岩泉…何の用だ?」


主将の澤村が迷惑そうに言った 
そりゃそうだ
こっちだって練習中だったんだから


「訳は全部終わってから説明する、悪い」


「大王様?!なんで?!!」


「ごめんチビちゃん、今は構ってる暇ないんだ!岩ちゃん」


「おう」


俺は影山の額に右手を置いた
不思議そうに首をかしげる影山が眠りにつくまでそう時間はかからなかった


「なるべく早く戻って来い…じゃねーと浄化が終わらねぇ」


「分かってる」


及川は床に寝ている影山の右手をつかんで眠った


「影山?影山っ!」


「大丈夫だ…今は眠らせてる」


「何をして「夢喰いですよね」…月島?」


烏野一の長身
そいつは俺の隣に座ってジッと様子を伺っている


「夢喰いって?」


「悪い夢を喰べること…バクの人間バージョンみたいなものですね……影山は多分、半夢人みたいなもの」


「やっぱりか…及川が言うには影山の夢の半分くらいが正夢らしい…でお前は?」


「夢見者ですケド」


「…は?」


「外から人の夢を見ているだけですけどね」


月島はちょっと覗いてきます、と影山の左手を掴もうとした


「ねぇ岩ちゃん!」


及川がガバリと起き上がった


「夢に入ったんじゃねぇのかよ!」
 

「そうなんだけど夢が違う!飛雄にあの夢を見させなきゃ意味無いじゃん!どうすんの?!」


「……もっと早く言えやボケェッ!!」


「理不尽!!」


「……見させましょうか」


月島がゆっくり言った
そういや夢見者は夢の選択ができるんだったか…


「え、何?!どうい「早く行け!!」え、えぇっ?!」


及川の額に手を置いて無理矢理寝かせる
月島は俺と同じように影山の額に手を置いて目を瞑った


「岩泉さん…でしたっけ?どんな夢ですか?」


「…詳しくは分からねぇけど最後に影山がウチの体育館の扉にいる筈だ」


「最後…」 


「わりぃ…」


「…多分大丈夫です………コレか?…とりあえずやってみます」


月島は影山の額を二度、軽く叩く
すると今度は及川に反応が出た


「ぅ……」


苦しそうに唇を噛み締めている

それからしばらく、影山も及川も動かなかった
月島は静かに二人を見守っている
周りにいる烏野の連中も静かだった
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