今日は何の日?(小説)

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クーラーの効いている筈のオフィス、
しかし現実は…


「暑い」

うちわを仰ぎながら椅子にもたれる敦、


「溶ける、」

若干いつもよりだるそうな乱歩さん


「そうだ国木田君!ジャンケンしよう!」

太宰がパッと立ち上がり
国木田に勝負(ジャンケン)を挑む

「どうせ負けたほうに
アイスクリームを
暑い中コンビニまで
自費で買いに行かされるのだろう、」


国木田が書類に目を通しながら言う

「おっ、正解!」

ウィンクしながらいわれても
そう気分の良いものではない、

「当たっても嬉しくない、
もっと言うと暑い中コンビニに行く
という想像をしたせいで少し暑くなった、
買うならおまえが買いに行け」

ソファーから飛び上がる丁

「それでしたら私買いに行きます!」

財布を持ち、外に行こうとする

「いや、最初に云ったのは太宰だ、
あいつにやらせるべきだろう、
それに暑い中社員の女を
買い物に行かせる程
俺は欲している訳ではないしな、」

ガチャリ、扉が開く、

「それじゃ僕が行きます、」

扉を開けた谷崎、
先程の話を聞いていたらしい、


「じゃあ、一緒に行きましょう、
皆さんの分アイスクリームを
買ってくるとなると
お一人では大変でしょうし、」


…結果二人で買い物に
行くことになった、
コンビニにつき、
クーラーの涼しさに癒されながら、
買い物を開始した、


粗方アイスクリームや、
その他必要なものを籠に入れ、

会計に向かう、

「丁さん、
今日仕事終わってから
お時間空いてますか?」

「え?はい、残業の手伝いですか?
喜んで付き合いますけど…」

「いいえ!違います!
ただこれを一緒にやろうかと…」

といって谷崎が手にとったのは

「花火ですか?」

そう言えばこういう花火
一回もやった事がない、

「是非!私一回もこういう花火を
やった事がなかったので!
でも大丈夫ですか?妹さん…」

今日はナオミちゃんの姿を一度も
見かけてなかった、

「ナオミは今日、
夜まで鏡花ちゃんと買い物になるそうなので…」

なる程…確かに今日は鏡花ちゃんも
居なかったなぁ、

「わかりましたじゃあ、
一緒にやりましょう!花火!」

丁の目が輝く、
相当楽しみみたいだ、
会計を終え、
天国のようなコンビニからまたまた
炎天下の地獄にたたされたものの、

無事社に戻り一段落する、

「ただいまです!」

コンビニほどでは無いが
涼しい探偵社のオフィスにつき荷物を置く、

「暑い所すまなかったな、」

社長や、国木田さん太宰や敦に

アイスクリームを配る、

「おやぁ?こんな所に花火があるね、」

見つかり谷崎は慌てる

「いや!それは!」

つかさず丁が言う

「ああ、今日、谷崎さんと
花火やるんですよ、
良かったら皆さんもどうですか?」

そういわれ谷崎は慌てる、
彼女と二人きりでやりたかったのに…
結局今回いない鏡花とナオミを
除いて探偵社の調査員全員が行くことになった、

仕事が終わり皆で海岸に行く、

この時間ならまだ花火をやって良い筈だ、

谷崎がひとりトボトボと歩いていると…

「済まないね、今日は邪魔をしてしまって、」

わかっていたのか太宰さん、

ポンと背中を押される、

海岸に行く途中のコンビニで
花火をもう少し買い足し、
酒とつまみも買う、

海岸につき、

準備を終え、


後は…

「では!第1回!
探偵社花火大会始まりです!
カンパーイ」

未成年の敦君と賢治くんと谷崎と
健康に悪いからと言って丁や
「皆が羽目をはずしすぎないように来た」
という国木田は

お酒以外の飲み物だった、

特に与謝野先生が…
「国木田!あんた、
ちったぁ飲まないのかい、
其れともこんな美人が
いるっつうのに飲めないのかい?」

と言われ瓶ごと
飲まされた国木田さん、
もう完璧に羽目を外してる、
先程から太宰の愚痴を
大声で叫んでいる、

そんなこんなで
あっという間に酒は底をつき
そんなこんなで
買い出しに行くことになり
太宰が…

「谷崎くんと丁で
行った方がいいよ」

と谷崎に訳ありな
ウィンクをして言った、

まんまるなお月様、
虫の集る街灯、
海の光に照らされ二人は歩く、

「月が…きれいですね、」

僕は少し慌てた、曰わく昔、
こんな書物を読んだ、
外国人がある文を日本語に訳した時に
先生が

「日本人がそんな台詞口にしない。  
  『月が綺麗ですね』
とでも訳しておくべきだ。」

日本人は照れ屋だから、
それで伝わる物なのだというのだ、

愛していると言うことが…

その事を彼女は
もしかしたら
知っていたのかも知れない、

いや、知っていても
知らなくてもどうでも良かった、


「僕もそう思っていた所です、」

知らなくてもいい、
でも伝えたいんだ、
僕も君の事を愛してる、
と。










花火の日でした!

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