今日は何の日?(小説)

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「太宰さぁ、不思議箱ってやったことある?」

乱歩のやや急な質問にびっくりする

「え?なんですか其れ、」

太宰は興味深そうに
乱歩の説明を聞く、

「簡単な遊びだよ、
箱の中にあるものを
当てればいいんだ」

「なにそれ?!面白そう!」

目を輝かせ興味深々な太宰

「やってみたいよね?」

左手からじゃじゃーんと
取り出したそのさきには…

「おおー!(o´∀`)」

更に目を輝かせる太宰、

「じゃあ何が入ってるか
当てて見て!!」

ゴソゴソと箱の中を探る太宰、

「茶碗ですかね?」

中には一つのご飯を
よそう用の茶碗が入っていた、

それを聞きニコッと笑う乱歩、

「そうだね、さて、
これは誰の茶碗でしょうか?」

「難しそうですね…」

再びゴソゴソと箱の中を探る太宰、

「取りあえず大きさからいって、
女性ですかね?で、デザイン的には
与謝野先生や鏡花ちゃん
じゃあなさそうですね、」

刻々と茶碗の持ち主に近づく太宰、

しかし

「あー分かりません、」

リタイアする太宰に

「まあまあ、
此処まで分かったんだから
当てずっぽうで一ついってみれば?」

乱歩に押され、

太宰が出した答えは…

「丁ですかね?」

ニヤリと笑いながら賭ける太宰、

「ふっふっ、太宰、正解だよ!」

そういって机の上に箱を
置こうとする、




ガサッ



書類に押され落下する箱、

「乱歩さん!箱!!」

慌てて気づいた太宰が呼びかける、

ゴカッ鈍い音を立て
落下してしまった

「「あ、」」

顔を見合わせる主犯二人、

箱を開けて確認するものの
シッカリ半分に割れた茶碗、

其処に


ガチャッ


丁が入ってきた、


「「「あ、」」」

3人の動きが止まり、
部屋の時が止まる、

「…僕知らないから」

いつの間にかに逃げている乱歩さん、

取り残されたのは


私と丁、


「えっと、」

言い訳のしようも無い状況、

だんだん現状を理解してきながら
涙目になる丁

「ひくっ、ひくっ、」

丁の目から
キラキラとこぼれ落ちる物を
とても私は見て居られなかった、
しかし、今一番辛いのは彼女だ、

そして彼女の頬から零れ落ちるのは
私の罪の固まりだ、



どうしよう、


迷っていると

「だ、太宰さん、」

泣きながら鼻声で私の名前を呼ぶ丁、

「はい…」

機嫌を伺うように丁を見る

「責任とって、私とデートしながら、
お茶碗弁償してください、」

彼女の発言に驚く、

「えっ、はい、喜んで、」

そういって外に出た二人を
予想していたかのように

黒縁眼鏡の青年はニコニコと笑って
窓の外を見ていた






箱の日!

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