今日は何の日?(小説)

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幸せ、

この世で生きる人にとって
それは必ずしもあるものではない、

少なくとも私は、
1日一回幸せがあるかないか
といった所だ、
逆の不幸せならいくらでもある、

今日やるはずだったドラマの放送が
昨日放送されてた、

大事な書類を切ってしまった、

お気に入りの服の袖が敗れてしまった、

ドロップスの白いのばっかり出てきた、

ハサミを買ったのは良い物の
左利き用を買ってしまった、

などなどと、

不幸は1日1回所では収まらない、

そして私はそんな時、

屋根に登る、

広々とした別世界のような外を
見て心を弾ます、

しかし、

今日は違った、
誰かが私のお気に入りの所を占領している、

遠くから見て解るのはその子が
まだ小さい子供だということ、

おとなげないこともできないので
今日は諦めようと自宅に帰る、

「まってよ、お姉さん、」

確かに後ろからそう声がかかった、

振り向くと男の子は
絵に描いた狐のように細い目をして
ニコニコと此方を向いていた、

「お姉さん、此処良くきてるんでしょ?
僕の隣にきていいよ、」

何となく上から目線なのはさておき、
男の子の隣に腰掛ける、

「何でよく来てるって判ったの?」

其れだけは疑問だった、
男の子は

「そんなことも分かんないの?」

といいつつ説明してくれた、

「まず此処によく人が来てると
分かったのは僕以外の足跡が
いくつもあったから、
業者って線もあるけど、
屋根を直した後もないし、
此処まで頻繁に来てるのはおかしい、
で、次に何で君がこの靴の主か
分かったというのは
とっても簡単、この靴はかかとの形と
全体のサイズから見てヒールのある靴、
だけどヒールで屋根に
上がるとしたら、珍しい、
其処へ君がコッソリ僕の事を
見てたから
声を掛けたって訳、
ちなみに僕26才だから、
少なくとも君よりは年上だよ、」

男の子の推理と年齢に唖然とする丁、

「まあ、唖然とするのも
わからない訳じゃあないけどさ、」

そう言ってニコニコと笑う男、

「じゃあ、私が此処に来る理由も分かる?」

挑戦的に言う丁、
これは分からないだろうと、
思いながら男の様子を見る

「勿論」

と言う発言を驚く私をよそに、
懐から古い何処にでも
あるような眼鏡を取り出す、

「超推理、」

そうつぶやき彼は少し考えた後

「うん、解ったよ、けどこれはね
言葉ではいい表しづらい、
でも決して表せない訳ではない、
寧ろ僕は君にこれを与える事が出来る、
君はこれを信じるかい?
勿論強制はしないよ、」

「うん、信じるよ、」

即答する彼女に少し驚く、

そして口角を更に上げた、



 
屋根の日

はっとしない終わり方、ごめんね

不幸せの参考! 
おニューのかさぶたペットに喰われろ!

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