今日は何の日?(小説)

□8/9!
1ページ/1ページ



晴れやかで涼しい天気、
平和呆けのし過ぎで、
うたた寝しそうになる

「丁!」

あーこうもウトウトしてる時に…
せっかくの眠りを邪魔した本人は
ほずれかけた包帯と、
普段着の薄茶のロングコートを
ゆらゆらと淫妖にはためかせ、
此方に走ってくる、


私との距離まで5メートル


4メートル

それでも彼は止まらない


3メートル


そもそも『止まる』という言葉は
彼には存在しないのか?

2メートル

お、おい、近い、

10センチメートル

「丁!」

飛びつく彼に私は半分近く諦めて、
もう…なるがままになれ、

「丁!今日はハグの日だよ!
だから、
一日中私とハグをしていよう!」

太宰の言葉に呆れる

「年がら年中ハグの日だろう、
私達の場合、」

そう、私達は世間様一般でいう、
恋人の部類にはいるのだろう、
 
「うふふ恥ずかしい事を言ってくれるねぇ、
でも今日は一味違うのだよ、」

正直嫌な予感しかしない、




「さくらんぼ?」

目の前に現れた赤い艶やかな果実、
先程の嫌な予感は気のせいだったか

「はーい、じゃあ、取りあえず一粒…」

と言って茎ごと無理やり口に突っ込む、

「らひゃい!ふひはふぁいっへふ!
(太宰!茎が入ってる!)」

「いいからいいから」

と笑って私に食べさせ、
突然ハグをしながらキスをする、
しかも只のキスではない、
私の舌を使ってさくらんぼの茎と種に
何かをしようとしている、

「っぷはぁ!」

漸く解放されたのは二分後、
正直何であんなに息が持つのか分からない、

「さて、どうだったかなっぐほっ!」

取りあえず一発ど突く、
例え彼氏であろうとして良い事と
しちゃ駄目な事がある、

「な、なに?そんなにご立腹?」

当たり前だ、苦しかったんだからな!
涙目に訴える丁、

「あー、いや、私が悪かった
すまない、息がもたなかったよね?」

本当に反省していると思われる太宰に

「いいy…「じゃあ、ご覧あれ!
私と君の愛の結晶を!」」

やっぱり反省してないよ、この人、
私がツッコミを入れる前に彼が
舌を出して見せる

「さ、さくらんぼ?」

種とそれをぐるぐると取り巻く緑の茎、 

「…///」

何となく顔が熱くなるのを感じた、

「…///な、なんか
ツッコミが無いと恥ずかしいね、」

お互い頬を染める
青空とは真逆に
探偵社の屋上には
一房の赤いさくらんぼがあった。







意味不なエンドごめんね

ハグの日
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ