今日は何の日?(小説)

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カタカタカタカタカタカタカタカタ

今は終電もとっくの昔に過ぎた深夜2時、

明日、いや、正しくは

今日の午前会議に間に合わせるべく

ただ坦々とキーボードと画面を見つめる

元々丁には

この仕事は向いて居なかった、

昔、論文で読んだ記憶が蘇る、

キーボードで文字を打っていると、

打っている人自身

内容がどうなっているのかか

分からなくなってくる

簡単に言うと失語症になった気分になるため、

文の内容がどこか

偏りがちになってしまうのである、

丁はパソコンで

文章を展開する事よりも、

原稿の上でうんと悩んで

書くほうが好きだった、しかし、

今の丁には転職などという

危険な道は通れなかった、

生活していくには

今の会社でもっと高い所まで

登らなくては行けないのだ

結婚なんて、よもや一生しなくても…

そんな思考に少しの時間を使う、

ふと後ろからトントンと背中をつつかれ

びくりと身体を跳ねさせる

後ろには男がいた、

「こんばんは!君、綺麗な人だね、
良かったら心中しない?」

突然のよくわからない挨拶と共に

現れたこの男に丁は

不審な目をむける

というより

「心中?」

うん心中とにこりと笑った男に

「あなたここの関係者ではありませんね」


とだけ言って警備の人を呼ぼうと

席を立つ、

ぐらっ、

午後昼食をとってから

ずっとここに座っていた丁の

足がガクガクといって、倒れかける

「おっと」

と、手を伸ばして支えてくれた男に

慌てて礼を言う、

「そんなにずっと座っていたのかい?」

男が丁が

椅子に座るのを手伝う、

「明日までに作りあげなくては
いけない資料がありますので」

丁は少し曇った顔でパソコンを見つめる、

「長時間のデスクワークは
体に悪いらしい、ここ最近の調べでは
デスクワークをしている40パーセントの人が2、3年で亡くなっているとか、

この世からこんな愛くるしい美人を
取り上げてはいけない、

あぁどうにかして
こんな悲惨な事を終わらせたい…」

あなたさっきその美人に心中しよう、

っていってましたよ、

丁は男の1人芝居を

ぼっと見ていた

この男は私を変えてくれるかも知れない、

そう思ったから、

男の言葉を無言で待った、

「そうだ、社長に頼んで
ウチに入れてもらおう、
君にもきてもらって、

君名前は?」

驚く私は

「丁です、」

と名前を言い渡す

「そうか、丁君か、
丁君、一応聞くけど、
今から転職したいと思うかい?
一応私は武装探偵社の
太宰治と言うのだが…」

丁は迷った

この不思議な男は  

信じれるのか?と

己の直感は合っているのか?と

迷って丁はひとつ太宰に尋ねた、

「職場は楽しいですか?」

少し驚いた太宰は整った顔で微笑んで

ああ、とっても、

と言った

これから始まる丁の日々

可笑しな街の可笑しな探偵社

これは先触れ前兆し

さて、



OLの日

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