今日は何の日?(小説)

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路地裏を歩き回り何かを探す

帽子の小男が一人

「なんで俺がなこんな事を…」

男は文句をつぶやくものの

渋々何かを探す、

ニャー確かにそう声が聞こえた、

男が慌てて声のする方へ駆け寄る、

どうやら山積みのダンボールの奥に

男の探し物があるらしい、

「汚れちまつた悲しみに」

男はそうつぶやいて

壁に足を着け歩く、

男は懐から写真を取り出す、

少し見た後

「いた…」 

ようやく見つけ出せた一匹の三毛猫、

よく見ると無愛想な顔をしている、

男が猫をだきかかえようと 

手をのばすと

シャァーー顔を一気にひきつらせ

男を威嚇し、

路地の奥へと走り出した、

慌てて後を追う男、

追いつかれまいと高い所に登ったり、

細い道を細かく歩く猫、 

しかし、男の体型や、

先程の能力により、

そんな猫に刻一刻と近づいていた、

猫が路地裏から表通りに出る、

男も続いて出たそこは、

通りと言うよりも

どこかの敷地の庭だった、

猫は助けを求めんとばかりに

一人のワンピースの少女に近づく、

少女はそれに答えんとばかりに

猫を抱き抱えよしよしとあやす、

男が少女に近づく

「すまねぇが、その猫をこっちへ

よこしてくれねぇか?」

なるべく優しく、

怪しまれないように少女に問いかける

「この子、嫌がってる」

少女が心配そうに猫を見つめる、

たしかにこの猫の飼い主である

エリス嬢は猫の耳を引っ張ったり、
 
色々酷いことをしていた、

「悪いな、飼い主には
俺から忠告しておくだから、
こっちへその猫を…」 

「あなたの猫じゃないの?」 

少女は俺と猫の顔を見比べる

「無愛想な所が似てるのに…」

少女の言葉につい

自分の顔を確認したくなる、

「返しても良い」

少女の言葉に男の目に輝きが宿る、

「けど、私が飼い主に
直接返して忠告する、」
 
少女の言葉に男は

次の言葉を詰まらす、

しかし、返してもらえないよりかは

幾分ましだ、

「わかった」

そう言うと男は当たりを見渡した、

「それにしても此処は…」

石膏の像や噴水、

薔薇で埋め尽くされたアーチ、

全てがどこか幻想的な風景だった、

「此処は、私の家の庭です、
路地裏から普通に入れますので
行きたい時に
いつでもお越しください」

バツの悪そうな男に

少女の顔は天使のように

ほんわかとしていて男は

そんな少女に

「ああ、」 

といって微笑んだ、

「では行きましょうか、」

そういった少女に男は

また来ようと固く決意した、




オチがぁーー
庭の日

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