今日は何の日?(小説)

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朝起きるとそこは、

見慣れた自室ではなく空き地だった、

何故己が其処にいるのか

この気持ち悪さと頭痛は…?

事の次第理解できぬまま

青年、敦は昨日の事を

必死に思い出そうとした

そうあれは



敦、今日焼き肉行くか、

そういいだしたのは紛れもない

敦の謎の斜め切り前髪の訳を聞き

哀れな目を敦に向けた国木田だった、


その一言を発してしまった
には既に遅し、

「練炭自殺〜あのこの間の 
パンツスーツの美人さんと
出来ないかなぁー?」

のほほんと一人妄想にふける太宰

「丁度僕はパフェを食べたかったのだよ、
社長も行くよね?」

焼き肉屋に行くのに

パフェの話をする乱歩さんと、

急に誘われ、少し動揺する社長

「僕の住んでいたイーハトーヴォ村でも
肉を食べる習慣はありましたが…
良いですねぇ…食べたいなぁ」

よだれを垂らして

幸せそうな顔をする賢治君

「ナオミはぁ兄様を食べたいですわ」

「ナ!ナ!ナ!ナオミ?!
ボクハオイシクナイヨ?!」

これから調理される食材のように
固まる潤一郎と

潤一郎の首もとをすりすりと
美味しそうとでもいうように
さする妹のナオミ、

「良いねぇー新人歓迎会という事で、
勿論酒もでるんだろうねぇ」

与謝野先生の言葉に青ざめる国木田、

皆行く気満々だ、

「いや、手持ちを確認してから…」

残額7000と少し、

「うわぁ」

太宰が人の財布を盗みみた、

敦一人だったら兎も角

豪酒で有名な与謝野先生や、

何をしでかすかもわかりやしない

太宰がいる事を考えると…

無理無理絶対無理、

チラリと社長を見る

社長は仕方なさげに

「わかった社で支払おう」

国木田の目が輝き、爆笑する太宰、

国木田の目には社長に

後光がかかっているように見えるだろう、



その頃ポートマフィア首領の部屋では…

「エリス今日はお肉が食べたい!
リンタロウ!!」

だだをこねる金髪の少女に

中年のリンタロウと呼ばれた男は

うんうんと頷くが

側にいた帽子の小男が其れを制す

「お言葉ですがエリス嬢、

只今階下は非常に危険です故、」

いつものことではあるのだが、

ここ最近は特に

ポートマフィアにたて着こうと

エリス嬢や、首領の命を狙う者が

多くなり始めている、

エリス嬢は悲しそうに

窓の外をみつめていた、

鴎外は

「それじゃあ、君たちも護衛として
来たまえ、」

突然の提案に懇悪する小男、

「何をしているんだい?黒蜥蜴や
紅葉くん、それと、芥川くんに
樋口くん、梶井くんも連れて行けば
問題は無いはずだろう、
さっさと連れて来なさい」

小男は少し悩んだ末、皆を呼んだ…



先程までいた客は皆帰った、

オーナーは、客から少ない金を貰うよりも

少なくともこの2つの組織のいずれか

1組織から金を取る方が利益になるのも分かっていた、

また、止める理由も義理もすべもないので、

せっせと肉を切り分けていた


「久しいな中年町医者」

「やぁ、爺臭中年、」

殺意を放ちあう2人

「あれ?!君はもしかして
この間の美人さん?!嬉しいなぁ!
さっき君のことを話していたのだよ、
さあ、一緒に心中s…」

「お断りします、」

そういって太宰に拳銃をつきつける
樋口

「美人さんに撃たれる最後
というのも嬉しいねぇ」

淳は半虎化して

太宰を守れるようにした

「よせ、樋口、貴様などが
倒せる方ではない、いずれは僕が」

そういって太宰と敦を睨みつける

一方現・元相棒は互いをにらみ合っていた、

((こいつ、何故だ俺の精神が
こいつは良い奴だと言っている… 
コイツはポートマフィア
(探偵社)だぞ…))

黒蜥蜴は以前襲撃した際の  
 
賢治の怖さを知っているため、

容易に出だし出来なかった

ナオミの前に立つ潤一郎

「ナ、ナオミ!もし何かあったら
す、すぐに逃げるンだ!」

「そんな?!兄様を置いて行けませんわ!」

「今日は営業終了した
はずなんだけどねぇ、」

色っぽい目つきでマフィアをみる
与謝野先生と

「げっ…」

以前会った事により

誰よりも彼女の恐ろしさを
知っている梶井は

少し青い顔で与謝野先生をみていた

両組織の長は黙ったまま相手をみる、

「まあまあ、今日はお互い此処へは
楽しみにきたのだろう?
どうかね?私は君達とは
余り入り混じりたくない、
黙って帰るかそれとも…」

そう、そういわれてからが余り思い出せない、

取りあえず

敦は探偵社に行こうと立ち上がる

大通りに出て自分が

今いる場所を確認する、

「ここどこだ?」

改めて思う、

そう思っていると…

道端に見覚えのある男が横たわっていた、

「太宰さん?!」

慌てて駆け寄り、息があるか確かめる

耳を口元へ近づける

「うわっ!」

突然耳元で叫ばれ、

敦は3メートル位後ろに引き下がる

「っふふふふふ」

「だ!太宰さん!」

敦は安全だと云うことを確かめ

太宰さんに近づき昨日の事を問う、

「あー、思い出したい?」

気まずそうに問う太宰さんに

弱気な声で一応…と呟く

太宰さん曰わく

あの後結局どちらも引き下がらず

今回は互いに食事をするだけ、

そう言って食事机についた

「あれ?それじゃあ何もなかったんじゃ…」

安心したように言う敦に太宰は首を振る

「嫌ね、其れだけでは収まらなかったのだよ」

先ず、キッカケは

こっちと向こうの

酔っ払い軍団の諍いだった、

何でも梶井が与謝野にガンを飛ばした

いや、逆に

太宰が中原にガンを飛ばしただ

敦は言われて思い出す、

「あ、でもその後、社長と敵の頭が
場を納めるため、何人かに個室に分けたとか、」

それで分ける時にも

ギャーギャーワーワー五月蠅かったな

結局くじ引きになって

1与謝野梶井

2賢治乱歩黒蜥蜴谷崎と妹ナオミ

3国木田中原

4鏡花紅葉エリス

5敦太宰芥川樋口

6福沢森

という何とも運命としか思えない

組み合わせと成った

1組目の梶井・与謝野の部屋では

「ギャーやっやめ…も…飲めなぁっ…」

「ギャーギャー言ってないで飲みな
こんな美人が酌してやってんだい、
これくらい飲めるだろぉ?」

よもや一方的なアルハラ…

2組目の賢治・乱歩・黒蜥蜴・谷崎と妹ナオミの部屋では…

「よっと…」

賢治が軽々と机を持ち上げる

広津は其れに対抗するかのように

テーブルに品物を並べ、

持ち前のバランス力と器用さを使った

テーブルクロス引きで賢治に対抗する
 
立原と乱歩と谷崎は

今までの自分の身に起こった

怪奇的な話で

盛り上がっている、

銀は唯一のこの部屋の女性である

ナオミから女性らしさについて

色々話を聞いて 

顔を真っ赤に染めていたいた

3組目の国木田・中原というと

「お前の組織にいる、
太宰って言うのはろくな奴じゃあねぇ、」

という中原の話から息統合し

愚痴のオンパレードを奏でていた

4組目鏡花・紅葉・エリスの部屋では

エリス嬢の肉を寄そう紅葉に

鏡花は怯えていた、

此の儘帰ろうと

無理矢理

連れ帰させられるのではないかと

紅葉が鏡花に手を伸ばす

ポフッ

頭を撫でられたと気づくのに

少し時間がかかった、

「探偵社は楽しいかぇ?」

母のように暖かな声で言われた言葉に

鏡花はコクコクと首を縦に振った

横で黙々と肉を頬張っていた

エリス嬢はひさびさに会った

自分と年の近しい鏡花の話を

じっと聞いていた

「この間、湯豆腐を敦が奢ってくれた」

「そうか…」

この子にもそのような人が…

紅葉は内心安堵したようにも思ったが

嫉妬にもかられていた

その後鏡花の探偵社で起こった話を

紅葉は只、実の母のように

「そうか、」

と言った、今だけは

この子の幸せそうな顔を

見ていたかったから

5組目敦・太宰・芥川・樋口の部屋では

太宰は芥川が暴走しないように

しかし、敦にバレないように

樋口にアプローチをしながら

部屋を見守っていた、

太宰の樋口へのアプローチの言葉が

バックサウンドのように部屋に響く

芥川と敦、2人の睨み合いが続く

先に口を開いたのは芥川の方だった

「今日は疲れている、其れに貴様の
頓着に付き合う気分でも無い、」

芥川の言葉にムスッとする敦だったが

「僕も、本当なら暴力で解決したくない、
今日は只、お互い食事をするだけだ、」

芥川と敦の言葉に安堵する太宰、

「何か肉を頼むとしよう、人虎貴様の分も聞いてやる、」

とどこか上から目線な態度に

再びムスッとしながらも

鶏肉と言って芥川に頼む

どうやら芥川の好みも

一緒だったようで

「鶏肉を二つ」

といって自分の席に戻る

話が出てこない敦は少し慌てる

「意外だな、君は牛肉とかもっとガツガツしたものを食べていそうだと思っていた、」

太宰と樋口が床で

声に出さずに芥川に

バレないよう笑っていた

自分でも何を言っているのか

解らなかった敦は

「あっ、いや、別に

変と言うわけではなくて…」

困った顔をする敦、

「油分が低いから」

へ?

思わず変な声が出る

「だから油分が低いから
と言っているだろう」

芥川の言葉に皆

“コイツ女子か?!”

と女性の樋口さえ思ってしまった

その時先程頼んだ鶏肉がやってきた…

この後も幾つもの芥川の女子力に

部屋中が驚かされたのは

言うまでもない

それにしても、

彼処の部屋は大丈夫かなぁ

太宰が見つめるのは6組目最後の部屋

森さんが変な事を言わなきゃ良いけど



6組目福沢・森の部屋

他の部屋の声が此方まで聞こえる、

肉を焼いているにも関わらず

それ程部屋は静かだった、

カキンッ

その音で沈黙は破れた、

同じタイミングで同じ肉を食べようと

鉄製の箸がぶつかり合う

「すまないね、」

「すまなかった」

お互いに謝罪をし、改めて肉を取る、

カキンッ

カキンッ

「わざとなのかい?人と同じ肉を取って、何がしたいんだ?この道術馬鹿」

「其れは此方の台詞だ、人と同じ肉を取って、全く薄気味悪い、ロリコン風情、」


そういいながら

やっと2人別々の肉を寄い、

口に運ぼうとする

ドッドドドド!

聞き慣れた銃音が響き、

鴎外と福沢の肉に見事に当たる

「ポートマフィアの頭はどこだぁ!」

そういいながら機関銃を連射する男に

鴎外はメスを的確に投げつける、

福沢は内の何本か、

心臓など急所に当たりそうな物を

はじき出し、

五本を機関銃の銃口全てに突き刺し、

福沢はメスで傷ついた敵を一瞬で

片付けた、

その間約5秒、

圧倒的なチームプレーに

ほかの部屋の物は唖然とする、

「「二次会行くぞ(よ)」」

という2人の組織の長に

皆が唖然したのは言うまでもない、

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