今日は何の日?(小説)

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「何?通信機器が使えない?」

芥川はその話を聞いた時、

あまりぴんとこなかった、

自分の携帯が繋がら無いことや、

コンピューター室のコンピューターが

一個も繋がらない事から見て、

芥川は漸く話の理解が追いついた、


不味い… 


「丁との連絡がいっさいつかない、」

芥川は仕事を早めに終わらせ、

丁が行きそうな場所を探し始めた、

河川敷や住宅街、

ショッピングモールに

勿論丁の自宅も…

しかし何処にも丁はいなかった、

途方にくれ、

自宅に帰ることにした

「龍之介!!」

確かにそう聞こえた、

ジャンプして芥川に飛び込む丁を

芥川はポンポンと撫でる、

「「探したぞ(よ)」」

同じ言葉を呟き、

ふっと笑う丁、


以心伝心


こんな事があるものなのだなと
 

芥川は驚きながら

うれしいと心の奥底から思った、

どうやら丁と

入れ替わり立ち替わり同じ場所を

探していたらしい、

淡くオレンジに染まる河川敷を歩く、

「愛してる」

芥川がボソッといったその言葉に

丁は頬を赤く染める

「な、なに?急に…」

芥川を見ないように川の下流の方に

目を移す、

「何時も僕に言っている事だろう、
まあ、電子機器越しにだがな、」

芥川も照れているのか

住宅街の方を見る

「通信機器が無いのも
偶には良いかも」

二人はそう思いながら帰宅する、

しかし、その足取りは狭く

ゆっくりで重いものだったとか…






中原「結局この間の電子機器が急に街から無くなったのは何故なんだ?」

悲哀「中也が通信所、壊しちゃったの?」

中原「ちげぇよそんなの心当たりあるわけ……あ、」

悲哀「うわぁ、」

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