今日は何の日?(小説)

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1月14日今日は飾納松納、
毎年家では門松たちを焼いてもらいに行く
これは昔、母に教えてもらった事、
両親は事故で十年前に死んだ、
当時中学生だった私にとって
其れはとてもキツいことだった、

今でも思い返す、父の暖かな手、
母の優しい声、

どんと焼きを毎年
してもらっている神社へ足を運ぶ、

神主の叔父ちゃんは昔から優しくって
私を見る度に
「飴ちゃんあげようか?」
って聞いてくる、

けどもう良い歳だから、
そう言われるのも結局恥ずかしい

今年も宜しくお願いしますと神主の
叔父ちゃんに頼めば
ニッコリと笑顔で
「任しときぃ」
と言ってくれる此が、
毎年の私の楽しみだったりする。

ちっちゃな神社だから
皆あんまり此処では、
どんと焼きを頼みに来ない
私的にはどんなに小さくとも
土地の神様は大切にしたい、

だから毎年此処でお願いしてる

石段に座り、
古い桐堀の神社を眺める、
神主の叔父ちゃんの声が聞こえる、
どうやら火がついたらしい

早速火元へ行き温まる。

ふと先程まで、気づかなかったが
6.70のお爺さんが居ることに気づいた、
よく見ると外国の人のようだった、
ふと私と目があう、

ぺこりと軽くお辞儀をする。

お爺さんは少し火を見てから
私に近づいた 

「こんにちは、お嬢さん」

お嬢さんなんて年ではないが
挨拶を返す

「これは、何をしているのかね?」

ああ、外国の人だから解んないのか、

「これはどんと焼きっていって、
年末に門松などで迎えた年神様を
天へお返しする為の行事です、
とは言っても毎年此処では私の分と、
ここの神社の分位しか年神様を
天へお返しして無いんですけどね、
此の炎で串団子を食べると、
その年の病が無くなると
されているんです。」

お爺さんは暖かな目で
私の話を聞いてくれた、
ある程度話したところで
お爺さんの話も聞かせて貰った、
自分には色々な友人が居ること、

お調子者だったり、

少し金銭感覚がずれていたり、

引っ込み思案な子もいれば、 

謎で出来たような人もいる、

話しているうちに、
また会いたいと思った、

ただ、この送り火が燃え尽きるまでは
一緒に居れるのだろうと思うと
何故か心が安らぎ、
また不安にもなったのは
私の心にだけ止めておこう、

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