今日は何の日?(小説)

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去年の今日は二人で
洒落たお酒を呑んで夜を明かした、

その前の年は多分其れが二人の
付き合って初の大喧嘩で、
建物を一つ崩壊させてしまったのを
思い出す、
仲直りにしたキス何て、
忘れられないほど熱いもので


その前の前は…

お互い、独り身だった、
仕事と、その他の趣味だけが
取り柄だった。
其れしかなかった

今年は…
去年やその前の年の
今日の事を思い返していた、

「中也。愛してるよ。」

愛の言葉を病院のベッドで
横になる彼に囁く、
寝顔を見たのは
これが初めて出はないが相変わらず
可愛らしい顔をしてる、

辛い、胸がポッカリ、
ドーナツのように穴が空いている
なのにどうして、涙が出ない。


嗚呼、キリストよ、
もし、もし私の願いを
聞いてくださるのでしたら、
お願いです、彼をこの深い眠りから
目覚めさせて下さい、

涙も出ぬ冷たい私の願いをどうか、
お聞き下さい。

彼の手を握り締め。
私は深い眠りについた


クリスマスイヴ

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